LEC会計大学院 > 学生紹介 > 院生座談会 > 4. 税理士は町医者 対処の知識がないとアドバイスができない
4. 税理士は町医者 対処の知識がないとアドバイスができない
丸茂 入り口は結局税理士なんですよね。司法書士や弁護士、公認会計士はその先にあるものでしょう。やっぱりまずは町医者的な税理士に相談に来て、じゃあどんな症状なのかというところの知識がないと、その先に振れないですね。知識も日進月歩で進む時代です。相談された言葉を聞いたことがない、対処の知識がないとどうして良いか分からないし、アドバイスもできない。ですから、そういった意味で、あらゆる面で、浅くてもいいからその言葉ぐらい知っておく。で、どこに振ればいいかというのを分かるようにしておく。これは最低条件として必要だと思いますね。
内村 いや今、丸茂さん、いいことおっしゃいましたよ。本当にわれわれは町医者ですよ。難しい案件が出てきたら外注にまわす。弁護士さんとか会計士さんにお願いすると。本当に窓口ですよね。いろんな案件が舞い込んできます。
丸茂 要するに自身の不勉強のために顧問先が相談している内容の斬新性や重要性に気がつかないと、とんでもないことになる。お医者さんが初期診断ミスをしてしまうように。知っていさえすれば何とかできるのに。それが信頼性失墜という命取りになりかねませんから。今はそういう時代です。
諸井 皆さんから税理士は町医者という言葉が出ましたが、まさにそうでしょうね。
丸茂 税理士というのは、この案件はどこにもっていけば一番効果的かということを判断して、割り振る窓口の役割なので知識は広く必要です。深くなくても良いというと語弊があるかもしれませんけれども、そういうことだと思います。
飯田 せいぜい分かれていても、相続・資産税専門の税理士くらいだと思います。でも私達の場合には全部やらなきゃいけない。税理士という看板を掲げているからには、この先生に相続のこと聞いても分からないなんて許されない。ですから、私は今年の前半すごく勉強しました。今までにないぐらいに。そういう意味で相続だけじゃなく、新しい会計の科目というのもやっぱり有料研修で、どんどん出かけるようにしています。LEC会計大学院でも税理士を対象にそういう研修を開いていただければすごくうれしいです。ニーズはすごくあると思います。
若杉 LEC会計大学院でも税理士会認定研修を実施しています。税理士資格を取得済みのプロの方の教育にも力を入れています。
内村 そういういうのは大事ですし、またそれに出席するような有資格者じゃないとお客様のためにならないと思います。
若杉 勉強を絶えずしているっていうことですね。
内村 ええ、そういうことです。お客様の方が我々より絶対に先に変化していますから。どんなに規模が小さくても。
飯田 ある先生がおっしゃってたんですけど、引き出しを多く持っていれば何かあったときにすぐに対応できる。何の仕事でもそうなんですが、常に勉強していかなければならない。特に私たちの業界は、どんどんどんどん税法も変わるし。
内村 変わりすぎですね、本当に。
飯田 最近は会計が変わって税法が変わるという事が多いので、やはりそれを先に知っていれば、税法が変わっても理解が早いですよね。だからそういう意味でも会計を知っておかないと、ということはあると思うんです。知らなくても、知ってるっていわなければならない。知らないって、言えないです。絶対言えないです。
諸井 言えないでしょ。
飯田 だから、ちゃんとした回答持ってきますので、しばらく猶予下さいって言うしかないですよ。
丸茂 そういえば高田先生も「持ち帰ってちゃんとした答えを返答します」と言えたら一人前だとおっしゃってましたね。 ただ、逆のパターンもあります。LEC会計大学院に入って減損会計を勉強し始めた頃、お客様に「大手納入先から聞いたんですが減損会計って何ですか?」と聞かれ即答できたんですね。今は中小企業が当たり前のように減損会計をやり始めてますが、私はその前にすでにその情報を知っていた。それはかなりのアドバンテージになっていると思います。「即答すべきか、持ち帰るべきか」という判断に迷うことが少なくなりました
内村 そういうのがまさに実務家だと思いますね。やっぱり、普通の学生さんと違うのはそこですよね。我々は学問的な知識はないけれども、感覚で捉えている。
諸井 そうそうそう。
内村 で、それに後から知識がくっついてくると。そういう場合もありますから。そこが学生オンリーの方とは違う良い面としてとらえてもいいんじゃないですかね。
飯田 それは本当に感じます。特に私なんか、勉強を始めたのが遅くて、まだ税理士業務に就いてから6年経たないんです。ただ、それまで色んな仕事してきたということが、今になって役に立っていて。色んな職種のお客様でも、大体この職種はこうだろうという検討がつくんですね。実際は税理士業務だけじゃなくて、色んなことをやっています。許認可のいる業種だと、許認可の相談からです。だから県庁とかにもよく行きます。行きますよね?
丸茂 行きます。行きます。これは行政書士さんの仕事じゃないかと思うこともありますが。
飯田 県庁の役人と色々、ああでもない、こうでもないって。
内村 先輩面して言うわけじゃないですけど、それが肥やしになりますよ、将来の。無駄が肥やしになります。実体験したという力ですね。それがなんていうんですかね、変な自信となって実体験で身に付けたものが昇華されるでしょう。