私はこれまで、銀行、税理士法人を経て、直近では事業会社においてIPO(新規上場)の責任者を務め、資本政策の立案やガバナンス体制の構築など、実務の最前線で奔走してきました。上場という大きな節目を経験し、現在は、常勤監査役という新たな職責に就いています。
監査役に就任し、改めて感じたのは、複雑化する制度に対し、断片的な知識ではなく、体系的な「論理」や「立法趣旨」に遡った深い洞察の必要性でした。50歳を過ぎてあえて学び直しを決意したのは、積み上げてきた経験知を理論で再構築し、プロフェッショナルとしての判断の「軸」をより強固なものにしたいと考えたからです。
会計大学院は、税理士・会計士受験生のための場所と思われがちですが、実態はより深く、実務に根差したものです。本大学院の最大の魅力は、実務と学術の両面で第一線を歩んでこられた教授陣の存在にあります。国税庁の要職や税務署長を歴任され税務執行の現場に精通した先生方、グローバル企業のCFOとして経営の舵取りを担ってこられた実務家教員、会計に関する数々のベストセラーを執筆された著名な専門家の方など、多才な先生方との対話は非常に刺激的です。租税法や管理会計の知見を、いかに経営判断やガバナンスに活かすか。こうした実践的な議論を通じて、現場で直面してきた課題を学問的な視点から捉え直すことは、非常に貴重な経験となっています。
本大学院のオンラインライブ授業は、時間と場所の制約をなくし、日常のスケジュールのなかに「講義」を無理なく組み込むことができます。単位取得をオンラインで完結できる点は、社会人が学ぶ環境として極めて合理的です。特筆すべきは、論文指導におけるオンラインの優位性です。画面共有機能を活用し、同じ資料を確認しながら行われる指導は、資料の受け渡しや視認性の面で、非常に密度の高いものだと実感しています。デジタルを駆使してシステム化された指導体制は、多忙な社会人が着実に目標を達成するための「最適なインフラ」です。
本大学院での学びを通じて再構築した自分なりの「軸」を大切にしながら、広く企業の持続的な成長に貢献し、さらには次世代を担う経営者や専門家の方々が迷ったときに、そっと背中を押せるような、深みのある実務家であり続けたいと考えていています。50代からのこの挑戦が、新しい可能性に繋がっていくことを楽しみにしています。