税理士試験科目合格に特化した学習ではなく、税法以外にも経営学、ファイナンス、管理会計等、幅広い知識を習得でき、それを実務にも有効活用できるようになる点で、大学院へ進学して非常によかったと感じています。また、フルリモートが特徴の大学院であるため、他の学生の様子はオンラインでうかがい知ることが主となります。これが結果として、特に休日の講義において、オンラインの画面上で、家庭と両立されている方や年配の方でも熱心に学習されている様子が映り、自分も頑張ろうという気持ちになりました。リアルでのコミュニケーションの場としては、半年に一度懇親会が開催されるので、オンラインのみの交流だった先生・学生と、そこで改めて仲を深められるのも良い点です。
「インターネット環境があればどこからでも履修できる」というのは明確なメリットです。私の勤務地は都心から少し離れており、平日の授業で移動時間なく仕事から大学院に切り替えることができることは進学の大きな決め手でした。休日においても、家庭との両立の中では移動時間が省略できる点がよかったです。先生方にとっての講義の進めやすさとしては、学生の顔色・反応が把握しにくい面はあるかと推察しますが、学生としては受け取る情報量の不足を感じたことはありません。
いずれの授業も興味深く、学んでよかったと思いますが、現在の自分の業務が経営企画とIR(投資家向け広報)であり、「ファイナンス論」で企業価値算定のベース知識を身につけられたのは実務に直接役立ちました。また、「経営学」で事業法人の経営の成功と失敗に係る理論を体系的に理解する機会をいただけたのも貴重でした。「管理会計論I・II」も、まだ実務に落とし込むまでにはいたっていませんが、現在勤めている事業法人の管理会計の仕組みを見直すヒントをいただけた授業だったと考えています。
本学の修士論文指導は非常に体系立っています。スケジューリング・ライティング・論文構成等、最初にフレームワークを提示いただけ、その上で指導をいただくので、ここまで迷うことなく進められています。もちろんオンラインでのコミュニケーションに限られるので、例えば相手の手元や目線を把握しながら話すことはできず、相手にこちらの意図が伝わるように資料のキャスト等に留意する必要はあります。それでも先生方が丁寧にコミュニケーションを取ってくださるので、論文執筆に向けた指導体制は良好だという印象を持っています。
まずは論文をしっかりと仕上げること。その上で、会計大学院で体系立てて税務・会計知識を習得する機会はなかなかないので、ここで身に着けた知識を自分の業務に生かして、企業価値向上に寄与出来たらと考えています。また、本学で身に着ける税務・会計知識は非常に有用なものだと思うので、周囲にも広げていく機会を作っていきたいと思います。
本学はオンラインオンリーという独自性があります。大学院で学ぶという環境を「活かすも殺すも自分次第である」という重みは、通学対面形式の大学院よりも大きいと思います。積極的に取り組む意欲があれば、効率性はもちろん担保されますし、授業・論文指導も体系立っているため有用な知識を多く身に着けることができると思います。2年、ないしは1年、学習意欲を高い水準で維持し続けることができると信じられる方は、ぜひ本学への進学を前向きに検討してみてください!