在院生の声
藤見 泰子さん

プロフィール

藤見 泰子さん
  • 2023年[春]入学

大学院で得た経験とつながりは
将来にわたっての大切な財産

大学院に進学して良かったこと

理系出身の私が税理士を目指したのは、結婚を機に前職を退職し、新たな人生を考えた時の選択肢の一つだったからです。会計とは全く別世界にいた私は一から簿記を学びましたが、非常に面白く、出産するまでに、3級、2級、簿記論、財務諸表論と順調に合格していきました。しかし出産するや否や思うように税理士試験の勉強が進まず、10年越しにやっとの思いで消費税法に合格することができました。ですが残り2科目の合格を考えると、更に相当な時間と労力が必要になることに不安を感じ、ちょうど先に大学院を修了した主人から大学院で学ぶメリットを聞いたことで、迷わず進学することに決めました。 実際、大学院に進学し非常に良かったと感じています。主な理由は三つあります。
一つ目は、税理士試験では決して学び得なかった学びがあることです。税理士として仕事をする上で、判例はとても重要です。しかし税理士試験では、判例に触れることは皆無に等しいのに対し、大学院ではひたすら判例に触れることになります。最初は読み辛かった判例も、大学院での学びを通して身近なものとなり、判例を探して読むという作業が当たり前になってきました。これは、実務において非常に重要なことだと思います。
二つ目は、人との出会いです。大学では理系を専攻していたので、会計の世界での先生といえば税理士試験勉強時の講師のみでした。しかし大学院では、大先輩である先生方と多くの出会いがあります。また同じ志をもった様々な年齢層の様々な環境にいる仲間とも出会えます。この出会いのお陰で、会計での世界が広がったことは言うまでもありません。ここでの出会いは非常に心強く、修士論文はもちろんのこと仕事や生活でも色々な刺激を得ることができ、孤独と思われがちなオンライン生活も充実したものになり、前々へと進む大きなパワーになりました。
三つ目は、ITリテラシーです。現在はITを駆使して色々なことができるようになりました。実際の仕事でもITリテラシーがないと大きく遅れ、効率化も図れません。私はどちらかというと苦手な分野でしたが、LECでは授業が全てオンラインなのはもちろんのこと、レポートや試験そして修士論文指導までオンラインです。最初は分からなくて戸惑うこともありましたが、LECのおかげで相当鍛えられたと思います。このスキルは、今後の仕事にも大いに役に立ちそうなので、非常に有難いです。

オンライン履修によるメリット

オンライン履修によるメリットは三つあります。
一つ目、先程も述べましたが、ITリテラシーの向上です。基本全てがオンラインなので、否が応でも鍛えられます。昨今では遠方の顧客に対しても、ITを使って素早く対応できるようになりました。また社会全体も電子化が進んでいるため、ITリテラシーは必須となっており、この波に乗れないと様々なものを失うことになります。その意味でも、会計、税務という問題だけではなく、ITリテラシーが低かった私には、今後の実務で大いに役立つ事、間違いなしです。
二つ目は、時間の節約です。私は東京近郊に住んでいるので、通学しようと思えば不可能ではないのですが、それでも往復二時間半はかかり、家事と子育て、仕事、そして大学院と三足のわらじを履く身としては、時間は非常に貴重です。平日の夜の講義に出席することは先ず不可能ですし、講義が詰まっている一年目は土日も一日中、家を空けなくてはならず、なかなかハードルが高く現実的ではありません。しかしオンラインで受講できるとなれば、もちろんハードではありますが、とたんにハードルが下がります。しかも場所を選ばず時には家だけではなく、職場や出先でも受講することができることは非常に助かっています。
三つ目は、資料類の扱いやすさです。資料やレポート、必要なものは全て電子化されています。よって持ち運びや保存に関しては圧倒的に楽です。また講義も収録され、後日、何度でも視聴できるので、欠席した場合はもちろん、聞き逃してしまったり、分かりにくかった箇所を何度も聞くことができます。また少し話がずれますが、LECの受講体系がライブ配信で良かったです。オンデマンドですとどうしても遅れ気味になりやすく、また一層孤独な闘いになります。ライブ配信なら、家に居ながらにしてほぼ通学と同様の効果が得られると思います。先生に質問することもできますし、他の学生の顔も見えるので、良い緊張感というか一体感があります。オフィスアワーの制度もとても有難いです。普段からお世話になっている先生だけでなく、質問したい先生とも簡単につながれて、色々な教えを受けることができます。そしてこの全てが在宅でできるのは本当に有難いです。

学んで良かった授業

<アカデミックライティング>

修士論文を書くには欠かせない授業です。修士論文とは?どのように書くのか?お作法は?そのような問いに答えてもらえるのがこの授業です。はじめは何からどのように手を付けて良いのか分からない修士論文ですが、この授業のおかげでスムーズ始められました。このような授業がある大学院はなかなかないと思うので、LECを選んだメリットの一つだと感じています。

<租税法事例研究>

とにかく判例に沢山触れることができます。先生は実務に即して授業を進めてくださるので非常に役立ちます。将来、税理士として仕事をするのであれば、このように判例を読み解く授業は非常に有益で、大学院ならではの学びであり、大きな収穫の一つになりました。

<企業法・民法>

税理士試験科目にはない科目ですが、実務では切っても切れない関係にあるのが企業法や民法であると思います。実際大学院に来るまでは学ぶ機会がなかったため、弁護士の先生から講義を受けることができ非常に勉強になりました。基礎から実務に役立ちそうな話まで聞くことができ、皆さんにもお勧めです。

<オンラインによる修士論文指導>

毎週、毎週、必ず指導してもらえるので、無理なく修士論文を進めることができます。まさに千里の道も一歩からです。はじめは想像もつかない字数ですが、気が付けば、きちんと作品ができあがっていきます。またファイルを共有し添削して返却してもらえるのが非常に有難いです。授業中は共有機能を使って、指導の先生方と同じファイルを画面で確認でき、その場で修正したり指導を受けたりすることができます。これはまさにオンライン指導ならではではないでしょうか。この繰り返しを毎回きちんと積み重ねていくといつの間にか修士論文が出来上がっていきます。本当に素晴らしい仕組みだと思います。通学での対面指導に比べてもほぼデメリットはなく、むしろメリットの方が多く感じられます。

将来の目標・今後の抱負

税理士試験3科目に合格し、実務経験も満たしているので、研究認定を受けたらすぐに税理士登録をし、活躍したいと思っています。個人事業主の方で、なかなか確定申告が進んでいらっしゃらない方がいらっしゃいます。そのような方や中小事業者の方を中心に、会計・税務関係のエキスパートとして力になりたいと思っています。そして、税理士として社会貢献することで、社会や国を支える一員になりたいです。

大学院への進学を検討中の方へ

大学院進学による収穫は入学前に想像していたよりも大きいものです。やはり一番は、判例に触れ読み解くという経験です。これは自学自習ではなかなか得ることはできません。またITリテラシーなど時代に合った学びができること、更には様々な方々との出会い等、メリットは多岐にわたります。これらは、今後税理士として歩んでいくためには非常に重要で、受験勉強だけでは得られなかった大切なものだと思います。そういう意味でも是非とも大学院で学ばれることをお勧めします。大学院も決して楽ではありません。仕事、家事、子育て等と両立しながら、講義を受け、試験を受け、レポートを出し、修士論文を書くということはそれなりの覚悟が必要です。時間も拘束されます。しかし充実した2年間になることも間違いありません。自分から積極的に取り組んでいかないと、修士論文の作成はなかなか進みません。そういう意味でも、ぜひ良い覚悟を持って入学されることをお勧めします。

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