在院生の声
松上 睦子さん

プロフィール

松上 睦子さん
  • 2022年[春]入学

質の高い論文を目指し
一生使えるワザを身につける

大学院に進学してよかったこと

大学院を修了すると、税法2科目免除の申請ができることです。税理士試験で3科目合格したあと、育児や会計事務所の仕事であっという間に15年以上が過ぎ、そろそろ何とかしなければという中で、LEC会計大学院のことを知りました。完全オンラインであることが、LEC会計大学院を選んだ一番の理由でした。いざ授業を受けてみると、完全オンラインだけではない魅力がたくさんあることがわかりました。そもそも、講義を受けること自体が新鮮で、メリハリのある毎日です。入学前は、2科目の勉強より1つ論文を書くほうが楽だろうくらいに思っていました。実際、どちらが大変かはわからないのですが、大学院での学びのほうが充実していることは確かです。

オンライン履修に感じるメリット、感想

移動時間も交通費もかからず、日本各地や海外の履修者とも交流ができます。通信の不具合はほぼありません。画面越しだと理解がしづらい、集中しづらいのではという不安がありましたが、対面と変わりないと感じます。むしろ、リラックスした環境で受講できるなど、メリットが多いです。

興味深かった・学んで良かった授業

必修科目では、職業倫理と租税法事例研究の授業が特に印象に残っています。職業倫理は、先生が幅広い分野に造詣が深く、毎回どんな話が聞けるのか楽しみでした。租税法事例研究は、毎回の授業で有名な裁判例を取り上げ、基本的なことからわかりやすく説明してくださいます。実務で顧問先と話をするときにも、少しは説得力のある話や根拠のある判断をできるようになりました。

自由選択科目では、IFRS研究と財務分析論がとても役に立つ授業です。会計事務所の顧問先の大半が中小企業なので、IFRSを実務で直接扱うことはありません。ただ、今まで言葉だけ知っていたものの全体像を知ることができ、視野が広がりました。財務分析論は、まさに会計事務所での実務に直結する授業でした。少人数で、他の院生のレベルが高く、発言や小レポートの機会も多く最初は不安要素が多かったです。ですが、先生が1人1人の意見に丁寧にコメントしてくださり、小レポートを院生同士読み合い、感想を話すということを繰り返すうち、少しずつ慣れました。会計事務所勤務の他の院生の意見や考え方を聞くと、同じような悩みがあったり、考え方が少し違ったりと、充実した時間でした。外部の方の特別講義もあり、盛沢山の授業でした。

税理士試験の受験勉強だけでは得られなかったこと

試験勉強のような一字一句の暗記や計算練習はほぼありません。代わりに、レポートか持込可の試験のために、自分で調べて考え、簡潔な文章にまとめる習慣が付きます。また、企業法、英文会計関係、ファイナンス関係など、税理士試験とは無縁だけれども実務で必ず関係するような分野を万遍なく学習することができます。

財務会計系や租税法の授業を通し、今まで経験則や感覚を頼りに考えたり話したりしていたことを、少しずつ理論的に整理することができ、実務でも根拠ある判断や提案ができるようになりました。

オンラインでの修士論文指導、本学指導体制の有効性

内容に関する指導をする主査と、Wordの使い方を含めた形式・構成面に関する指導をする副査がつきます。授業は週1回ですが、授業の3日前くらいまでに論文ファイルや関連資料をGoogle classroomを通じて提出します。授業までに一度添削していただいたものが返却されます。基本的には、それを踏まえた状態で授業に臨みます。授業では、20〜30分、画面共有をしながら、教員とやり取りをします。同じ授業時間の他の院生のやり取りのときも参加します。教室に出向いて指導していただくより、オンラインのほうが、手元の資料をすぐ共有したり、その場でいろいろ調べたりと、臨機応変に対応できると思います。また、各学期末にクラスや班で自身の論文内容を発表する回もあり、ほぼ初めてPowerPointで資料を作成しました。この経験も仕事に活かすことができました。Wordの操作は、アカデミックライティングの授業で初歩の初歩から実演していただけるので、心配無用です。文法的に不自然な表現を指摘していただけるので、純粋に文章力も身に付きます。

私は、入学時、税法論文がどんなものかもわからず、ましてや5万字の文章など書いたこともなく、テーマ選びからまさに暗中模索でした。税法学者の論文や判決文を読むこともほぼ初めての経験でした。授業時にいただく先生のアドバイスだけが頼りです。論文完成までの具体的な道筋(〇月までに〇章を終えるとよい、など)や参考資料を教えていただくなどを繰り返すうち、何とかあと少しというところまでたどり着きました。

指導の中で特に有効と感じたのは、マインドマップです。マインドマップとは、思考の表現方法を示した図のことで、市販のマインドマップソフトを利用します。プレ序論クラス(入学した最初の期で受講する論文指導のクラス)の段階で、先生から、思考の可視化のためマインドマップを使うよう勧められました。使い始めると、思考の整理にも、情報の整理にも役に立ち、論文作成に欠かせないツールとなりました。今は、まずはマインドマップで論文に書く内容をまとめ、授業でも主にその資料で質問し、書くべき内容が固まって初めて文章にする、という手順を繰り返し、論文作成を進めています。

また、仕事や育児・家事の合間での論文作成なので、捗らないことも多くあります。前回の授業からあまり進展がないときや、考えがまとまらず明確な質問ができないときも、先生から、「ここをもう少し調べるとよい」「この先行研究はもう一度確認するように」など、丁寧に具体的なアドバイスをいただけます。とても親切で優しい先生ばかりです。複数の教員でみていただき、とても面倒見の良い授業でありがたいです。

将来の目標、今後の抱負

どの授業も、単位取得で終わらず、仕事にも教養にも為になることをたくさん学ぶことができます。論文指導の先生が授業の中で頻繁におっしゃるのは、合格すればよいというわけではなく、質の高い論文作成を目指し、一生使えるワザを身に付けることが大切ということです。私の論文の完成までは、まだまだ道半ばですが、完成後に、一生使えるワザが一つでも身に付き、自分で活用するだけでなく、様々な形で還元したいと思っています。

大学院進学を検討中の方へメッセージ

入学すると、平日の一部や土日も潰れ、授業がない時間も論文作成に充てるため、自由な時間が減ってしまいます。ただ、修了すると、様々な領域の知識が身に付き、しかも税法免除という特典も得られます。2年間という期間は決して短くはないですが、何とか頑張れるぎりぎりのラインではないでしょうか。

入学を迷っている方も、思い切って大きな一歩を踏み出してみてください。

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