在院生の声
高橋 紘太朗さん

大学院での経験を生かし
税理士として新しい働き方を目指す

大学院に進学してよかったこと

同じ目標に向かって切磋琢磨する学友や、それを支える教職員の方々と出会えたことです。学生のほとんどが、仕事や家庭など様々な事情を抱えているにもかかわらず勉学という険しき道を選択し、入学をされてきた方たちです。そういったハイレベルな向上心、意識を持った仲間や、それを支える教職員の方々と出会えたことがとてもよかったことだと思っています。

オンライン履修の感想

入学の決め手は本学大学院のパンフレットに記載されていた「すべてオンラインで完結できる」旨のキャッチコピーでした。私は大学も社会人として働きながら通信教育（週末や夏期講習のみ学校に通う）で卒業しており、通信学習については経験がありました。しかし、やはり週末とはいえ学校に通う、という通学時間に対する時間のロスを感じていました。本学の場合は一度も学校に通うことなく自宅ですべて受講できるので、通学時間に対するロスが無いことに強い魅力を感じました。

通学時間が無いため、講義の直前まで自習や仕事、家族との時間に隔てることができ、時間の有効活用にも役立っています。学生一人一人状況は違うと思いますが、年間の往復通学時間を合計すれば相当な余剰時間を生み出しているのではないでしょうか。（正確に計算したことはありませんが）

10年から20年前の大学院生であれば、仕事をしながらの勉強は様々なことを犠牲にしなくては時間を確保できなかったように思います。それがオンライン学習の発達によって様々な環境下の方でも勉強に臨めるようになってきているように感じます。一方でデメリットもあり、隣の席の学生に話しかけて友人を作る、ということが、オンライン学習では難しくなっています。そのような環境だからこそ、本学では年に数回大学院主催の懇親会を開き、学生と教職員、学生同士の交流の場を設け、オンライン学習のデメリットに対応されているのだと思います。

興味深かった授業

ファイナンス論と管理会計論の授業です。ファイナンス論はM＆Aの知識や企業価値評価の方法を実践的に学習しますので、実際の実務の場でも参考になる点がたくさんありました。管理会計論は企業内部の業績評価を行うための視点や方法を学びますので、企業の経営状況や経営目標を明確にする力を養うことができます。どちらもこれまでに学んだことがない領域の学習でしたので、大変新鮮な気持ちで受講することができました。

税理士試験の受験勉強だけでは得られなかったもの

大学院では自分の研究テーマを論文として相当な量の文章を書きます。論文は関連書籍を少し読めば書けるというものではなく、自分の研究テーマを題材としている書籍や論文、裁判例をメインに多数熟読し、関連する周辺書籍や論文等も網羅的に読み漁り、時には新聞記事やニュース情報などもチェックするなど、長期的な情報収集と分析を行い続けます。これら情報収集を継続して行うことで、自分自身の考えが次第にまとまっていき、論文を書き進めることができるようになります。このような「一つのことを突き詰めて情報を取り入れ、自分の頭で考え自分の言葉で表現する」、というインプットからアウトプットへ繋げる力は日常生活や実務の世界、クライアントとの対話の場面でも強く生きていることを実感しています。

オンラインでの修士論文指導について

一人の学生に担当教員が2〜3名つき、毎週提出する論文の素案内容と構成をデータで確認していただき、週末のZoom講義で口頭でのフィードバックを受ける、フィードバックを受けたことを翌週の提出期限までに加筆修正を行い、また提出を行うというクールを繰り返します。正直、毎週必ず訪れる論文素案の提出は非常にハードで、強迫観念もあり時には気が滅入りそうにもなりますが、むしろ毎週提出期限が来るからこそ、継続して書き続けることができるのだと思います。論文素案の提出方法はデータでのやりとりですので、仕事の前など、提出期限ギリギリまで粘って書き続けることができます。

将来の目標、今後の抱負

20代の頃からの夢だった世界一周、コロナ後の世界と大学院で学んだ100％オンライン学習をヒントに、税理士資格取得後は世界中を旅しながら、顧問先との打ち合わせや日々の業務ができるような働き方をしたいと思っています。

また、税理士の平均年齢は他の士業と比べて60歳と高く、今後の担い手不足が否めません。若者から注目を集め、夢を叶えられる魅力的な仕事、人気の職業となれるよう、税理士業界に貢献したいと思っています。

大学院進学を検討中の方へメッセージ

勉強は日々自分自身との戦いですが、進学することで自分を刺激し、支えてくれる教職員の方々や同じ目標に向かって切磋琢磨する仲間たちと出会えます。Zoom講義を通して毎週決まった時間に教職員や学友達と時間を共有することは、自分自身の勉強への意識向上にも繋がります。

たった一度きりしかない人生です、もし入学を迷われているのであれば思い切って挑戦してみてはいかがでしょうか。迷いながらも踏み出したその最初の一歩が、皆さんのこれからの人生を切り開いていく、大きな一歩となるに違いありません。